三条吉家

三条吉家は、平安期、山城国の刀工である。「三日月宗近」(国宝・天下五剣)の作者三条宗近の子、または、孫といわれている。天暦七年出生、治安三年没、享年七十一歳。東三条に居住した。

作風は、広い身幅で鋒はやや太い。反りは浅めである。刃文は、沸本位の小乱れ、刃縁一面に小沸が付き、金筋、稲妻などが付く刃中は平安期らしい華麗な鍛えとなっている。同時期、吉家の銘を刻む刀工は、三条吉家のほかに備前国「一文字吉家」が存在した。三条吉家は「吉家作」と三字銘を刻むため区別は容易である。

代表作は、明治天皇御物「太刀 銘 吉家」明治十五年、蜂須賀茂韶より明治天皇に献上。東京国立博物館所蔵。重要美術品「刀 額銘 吉家作」額銘とは、大磨上げされる刀の銘を短冊状に切り取って新しい茎に改めて嵌め込んで刻まれた銘をいう。「佐竹鵜丸」白河上皇御物、秋田藩佐竹家伝来、寛永十年秋田城火災時に焼失した。

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