武士じゃない人にとっての日本刀

江戸時代の初期は、町人も日本刀を持つことは自由にできました。
お犬様の件で有名な徳川綱吉のときに、町人の日本刀の携行が禁止されます。これは治安維持のためではなくて、贅沢禁止のためだといいます。身分相応の格好をしろということらしいですが、特別な功績を上げた人なら町人であっても帯刀を許されたそうです。
また旅人は、護身用として帯刀を認められていたとか。「道中差し」というのは聞いたことがあるかもしれません。山の中で山賊などに襲われることもあるかもしれませんから、帯刀しておいた方がいいような気がします。
歌舞伎の舞台では刀がよく出てきますが、もちろん作りものです。
殺陣という言葉は今の舞台や映画、テレビ界でも使いますが、歌舞伎で戦う場面のことを「たて」ということから始まったそうです。
この作り物の殺陣と、本当に斬ったりする武士の戦いがごっちゃになってしまって、腕の立つ武芸者などは、時代劇のスターのような殺陣をするのかなと思っていました。
武芸には型があるので、構えや緊迫感は映画のような形があるのかもしれませんが、やはり斬られるわけですから、形を考える暇などないような気がします。
また、スパッと斬れる刀ばかりではないようですし。
某御前前試合の様子を小説にしたものを読んだことがありますが、真剣でたたかうというのは途方もないことだと思います。
とはいえ時代劇に殺陣は必要不可欠なものです。スピード感や迫力、そして美しさを追求していくのは当たり前です。
日本刀に魅せられた人々は、刀自体の美しさとともにそれを使う人にも美しさを求めるようです。
とはいえ、居合抜きなどで使う以外で、人の生死の中で使う真剣は、美しさなんてどうでも良いような気もしますが、逆に生死がかかっているからこそ、美しくないといけないような気もします。

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