多様な表情を持つ鉄のすばらしさ

鉄は広く流通し、私たちの身の回りに必ずあり、とても面白い金属です。なぜなら、地下に存在するマグマ、体内を流れる血液中の色素たんぱく質であるヘモグロビン、そのどちらも鉄が含まれています。

「あなたは金属と言えば、何を思い浮かべますか。」と質問したとき、ほとんどの人が「鉄」と答えると思います。他には「金」「銀」「銅」などを答える人もいるかもしれません。金・銀・銅は、その単体で美しい色を持っているとして、珍しく扱われてきました。奈良時代には、金・銀が財宝の象徴であると謳った短歌もあるとされています。また、その時代には、金は“くがね・こがね”、銀は“しろがね”、銅は“あかがね”、そして鉄は“くろがね”と呼ばれていたそうです。金・銀・銅は世界共通で、財宝として考えられていますが、あえて鉄(くろがね)に多くの日本人が、魅了されていると感じるのはなぜでしょうか。

「鉄は何色ですか。」と質問したとき、「灰色」「ねずみ色」「シルバー」などの答えが返ってくると思います。それは、包丁・ナイフ・日本刀など、刃物を想像して鉄と結び付けるからでしょう。昔の人がなぜ鉄に“くろがね”と名付けたのかは、明確にはなっていません。しかし、鉄で出来た製品の常に手が触れるようなところは、黒錆で光沢のある美しい黒色になることがあります。これは四三酸化鉄によって、鉄の表面が覆われ、内部の酸化を防いでくれる効果があります。一方、第二酸化鉄は赤色をしていて、顔料として使われることがあります。この黒色も赤色もそれぞれ鉄の持つ違った面です。また。鉄は水気があればすぐに、赤茶色になり錆びてしまいます。

このように鉄は、人の手の加え方によって、多様な色の表情を見せてくれます。その多種多様さが鉄の魅力かもしれません。

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