日本刀の強度

日本刀の強度というのは、本来は表すことができないようなことだそうです。それは「丈夫な刀」とか「強靭な刃」という言葉はそれを条件なしに定量的に表すことが難しいということで、定性的な表現でしかないということだそうです。その理由として、日本刀の強さの主体は曲げ強度だからといえるそうです。

曲げによる変形や強度は、作用する力の大きさだけではなく、曲げモーメントの大きさによって決まるからだそうです。日本刀の鍔の位置を固定したと仮定して、l=50cm離れた物打ち部位に、力Pが作用するとして、曲げモーメントMは、M=力P✕距離lということなので、鍔元の位置の曲げモーメントMは、M=0.5✕P(N・m)になるそうです。日本刀を支持する条件によって付加し得る外力が異なるそうなので、日本刀の強度を一義的にいうことはできないそうです。同じ力学的条件下における曲げ強度試験などで、日本刀の強度の優劣は比較できるということですが、それが果たして日本刀の強度を表しているかどうかとなると、そうではないと断言できるそうです。他の工業製品でも同じことがいえるそうです。自動車の衝突安全試験では、「衝突速度」「全面衝突かオフセット衝突」か「側面衝突か」などの一定の条件下で比較され、評価されているそうです。

強度の優劣の比較と、絶対的な強度というのは違うということでしょうか。難しい話ですね。強靭というのは、強と靭という字で表していますが、この「靭」性というのは、材料や製品の粘り強さのことだそうです。それは破壊に対する抵抗ともいえるそうです。破壊靭性を定量的に評価する指標として、衝撃試験による材料の衝撃吸収エネルギーがあるそうです。

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